「起きてからの愛の鞭、しかと受け取った」

ダメージがない上に、攻撃を受けた事を喜んでいる。

「俺はコアを抜かれたはずだ。お前、何をした?」

「私はお前とナニをしたいんだよ。ほら、解ったのなら服を脱げ」

「話をしろ!このボケが!」

蟹バサミから四の地固めのオンパレード。

「あいたたたたたた!でも、久々の快感だぞ!」

「黙れ!このド・エムが!」

しかし、しばらく寝ていたおかげで、体がなまっているようだ。

「はあ、くそ、お前と話していると埒があかんな」

「何を言う、私はお前との話が唯一の楽しみなんだ。その時間を奪うというのか」

傍にあった机の上に座り、足を揺らしている。

「だったら、まともに話をしろ」

「しょうがない奴だ。お前のお願いなら、フィアンセである私なら聞いてやらない事もないな」

何故か上からだが、何かを言えば調子に乗るに違いない。

「何故、俺は意識を取り戻した?」

「それは私がコアを持ってきてやったからだ」

「何?」

「私の秘策により、お前の大事な大事なコアを手に入れてやったのだ!感謝しろ!そして、私と生涯を一緒に歩むと誓え!」

しかし、服の中から、一枚の紙が落ちる。

いい気になっていて、紙が落ちたことに気付いていないようだ。

「これは」

冬狐の綺麗とはいえない字だ。

解りにくいものの、燕に俺のコアを拾えるような順序が書かれてあった。

冬狐は、思ったとおりの女だった。

身内の者には甘い。

妹と似ている部分はあったという事だろう。