「く!」

ナイフを引き抜いた事により、血が流れ出します。

「おやおや、血行はいいみたいですね」

「黙ってて下さい」

辛く、息を吐きながら、何かをセッティングしています。

「おや、いいんですか?」

「黙っていろと言ったんですが?」

「残念ですね。あなたの質問をもっと聞きたいところでしたがね」

でも、集中しているところを邪魔するのも悪いですし、大きな木片が落ちてきている事は黙っておきましょうか。

「え?」

彼女は気付いても、足にナイフが刺さっているので避ける事は出来ません。

そのまま、大きな木片の下敷きとなり、絶命してしまいました。

血が木片の下から流れてきます。

自分のしでかした大きな出来事の後始末を自分の命で払う気持ちの大きさには敬意を表したくなります。

「お供え物としてお汁粉味の魔草青汁を差し上げます」

缶を置いて、私は離れます。

「さて、ビックリハウスでゆっくりしているのもいいですが、今の場合で死地に行くのは抵抗がありますね」

しかし、入り口は木片によって防がれ、出る事が出来なくなりました。

「ああ、遠回りになりますが、開けた穴から出ましょうか」

入るときに開けた穴はまだ塞がっていないようですね。

しかし、私の足元である床が壊れてしまいました。

「おっと、ジェットコースタのようですね」

私は咄嗟にジェットブーツを作りだし、ゆっくりと階下に落ちていきます。

しかし、城の外に出るのは時間がかかりそうですね。

集合時間に遅れた人は置いていかれても仕方ありません。

野川さん達は家に帰っていてもおかしくはないですよね。

私もゆっくりと家に帰らせていただきますか。