「質問、ニ、人間とは何ですか?」

「予知能力を持つ者ですかね」

「何故、そう思われるのですか?」

「予知能力といっても、そんなに遠い未来の事は解りませんし絶対に当たる保証はありません。しかし、人は考える事が出来るわけです。知識さえあれば、粗方の事は考えればどうなるかぐらい解るわけですよ。将棋でもそうでしょう?何手か先を見通して勝利へと導こうとします。それは予め相手の手の内を考えて知っているという事に繋がるのではないのでしょうか」

ナイフはレインさんの右肩と落ちて、刺さります。

「ぐ、いい!」

顔が酷く歪んでいますね。

「足と肩にピアスを通せそうですね」

私にも少しくらいは落ちて欲しいところですがね。

ピアスは膿が出そうなんでしたいとは思いませんがね。

「そんな、答えを、出すなんて、卑怯です」

彼女が上手く喋られなくなってますね。

次の質問で煮詰まっているのでしょうか。

「本当に残念ですね。私にナイフが落ちてくると思ったんですよ」

「嫌味、にしか、聞こえません」

「すいません。あなたの代わりにナイフを刺さってあげたいのですがね」

「もう、いいです。質問、三、猫が川に流されています、あなたならどうしますか?」

随分と質問の質を変えてきましたね。

「そうですねえ、隣で泳ぎながら励ましますよ」

「それ、狙ってますよね!?絶対、狙ってますよね!?」

涙目で訴えてますが、事実を言ったまでなんですがね。

「猫さんも不安で仕方ありませんからね、私の言葉でどれだけの安心を得られるか解りませんが、下流まで泳ぎながら励ましたいと思いますよ」

すると、天井の一部が私とレインさんの間に落ちます。