八畳程度の一室に飛ばされたようです。

造りとしては、全てが木造であり板の床のようです。

眼前には木製の引き戸がありますね。

「おかしいわね」

「どうかしました?」

「何故、城の中に転移したかって事よ」

「そうですねえ。城の外に出すよりは、城の中のほうが始末がつけやすいという事ではないですか」

ところどころに罠があると踏んでいいかもしれませんね。

「『遊郭』はどうかは知らないけれど、急がなくちゃならないわね」

「ええ、そのようですね」

「何を楽しそうにしてるのよ?」

「最近、小学校にあるアスレチックを拝見しましてね。それくらいの遊び心があるのかと思ったんですよ」

「遊具と一緒ならどれだけ楽かってところね」

扉を開けると、左と前に進む通路があるようです。

通路の広さは五人が横並びに通れるくらいですかね。

「さて、どちらでしょう」

広さからいえば、走れば十分程度で網羅が出来るでしょうか。

「別れて探索するわよ」

「おや、死地に辿り着ける方にいければいいですね」

どちらから行けば、兵士さん達が多いのでしょうか。

「時間がないから、解ってるわね?」

「そうですね。野川さんが望むなら、出来る限り楽しみは後にとっておきましょうか」

「はあ、じゃ、アタシは左にいくわ」

野川さんは走って行きました。

「私も参りますか」

ナイフを両手に生成しながら、前へと進みます。

二秒後にピアノ線が足にひっかかりました。

「おや?」

私は即時に背後に飛びのきます。