私達は、城門の前にいます。

準備運動がてら、兵士さん達をナイフと子鉄さんの鉄球で倒させていただいたんですが、数としてはイマイチでしたね。

これも、あの方が先導して、敵さんをあちら側に集中させたおかげでしょうか。

そして、私達は交信していたトランシーバーのボタンを離します。

「さて、これをお履きになってください」

彼が言っていた時間を短縮させるための、下方向にジェットが飛び出す靴を用意しました。

靴のサイズは自動的に合う近未来型にしてあります。

「そう」

「ああ、履いても水虫にはなりませんので、安心してください」

「水虫になるような靴を用意されても困るわね」

「水虫に耐えながらの死地に向うのもオツなものですよ」

「余計な事言ってないで、さっさと門の向こう側の敵をどうにかするわよ」

「ええ、そうですね」

催涙球に煙幕球に破裂球を用意しています。

催涙球で皆様の集中力を殺ぎ、煙幕球で視界を奪い、破裂球によって身動きを取れなくします。

「少し悶えていただきましょうか」

催涙球を子鉄さんに投げ込んで頂きます。

次に煙幕球、最後に破裂球。

扉の向こう側からはいいメロディーが流れていますね。

「何聞き耳立ててのんびりしてるのよ。さっさと行くわよ」

靴のボタンを押して、ジェットが噴出しましたね。

私も同じくジェットシューズで空へと羽ばたきます。

時間がないので最大まで上げて、スピードを上げます。

二人とも、あっという間に天守閣に登りつめようとしたのですが、上空にはナイフが設置されています。

何かの能力でしょうか。

しかし、子鉄さんが鉄球を投げて、ナイフを壊しましたよ。

そして、天守閣に辿り着こうとしたところで私達は転移陣に突入し、転移されてしまいましたね。

「ナイフはあくまでも、囮という事だったんですね」

「何を呑気な事を言ってるのよ」

そして、私達は城の中へと飛ばされたようです。