しばらくすると、美咲、ティア、チェリー、カメリアが奥の部屋から出てくる。

「これで全員か?」

「うん、そうだね」

「美咲、お前も辛いのに、色々と頼んですまない」

「ううん、いいよ。ザックも辛い思いしてるもの」

ただ、疲れている顔は拭う事は出来ない。

美咲には土下座しても、足りないくらいの感謝がある。

次にどうするかを考えていると、扉の向こうから兵士達とは別の妖魔や人間が入ってくる。

「子鉄」

「こっちも終わったみたいね」

そう、鋼にいた人物達が集まっているのだ。

「お父さん」

「すまなかった」

一言つげ、美咲に頭を下げる。

「ううん、いいの。お母さんも心配してるよ」

父親との再会に涙を流す。

「ああ」

丸のおっさんに抱えられた瑠璃子の姿もあるところ、同じ階の退魔師達も救われたという事か。

でも、アカ・マナフの姿がない。

「アカ・マナフはどうした?」

「行方は解らないわ」

「どういう事だ?」

「アタシを先に進めるためにレインという女と闘っていたんだけど、いきなり城が崩れ始めて、行方不明になった」

行方不明という事は死んでいるのかもしれないし、死んでいないかもしれない。

あのアホが死ぬという事は信じがたいところだ。

しかし、レインが鋼にいたという事は、ミールオルディンであったという事か。

レインがミールオルディンに繋がっていたとするならば、島で結界を解いた事も解る。