妖魔05~正道~

美咲に贔屓しているわけではない。

美咲の攻撃、防御に長けた能力を考えれば、妥当なのだ。

「どこにいるかわかるか?」

「多分、この階のどこかだと思うけれど」

「ロベリア、確認取れるか?」

『東に多数の影』

「そうか」

真っ直ぐ進んでいけばいいという事だな。

『扉の向こうには、強大な闇』

部屋の突き当たりには、引き戸がある。

きっと向こう側にいるのだろう。

「非常時に、闘う余裕はないんだがな。一体なのか?」

『はい』

強大な闇という事は、雑兵とは違うという事か。

人海戦術のほうが圧倒的だというのに、何故、一人で来たのか。

それだけの自信があるという事か。

「美咲は皆をまとめてくれ。疲労を負っているのにすまない」

今の俺よりも、同じ被害にあった人のほうが話は聞いてくれそうだ。

それに、時間があまりないので、共同作業を行っていくしかない。

「ううん、いい。ザックは、行くの?」

「皆に上の階から飛んで逃げる体力もないし、敵も多数いるしな。この扉の向こうを通っていくしかない」

そう、強大な闇を撃退しなければ、何もかも上手くいかない。

「じゃあ、頼んだ」

引き戸を開けると、大広間の中に血まみれの男が立っていた。