妖魔05~正道~

「それには、及ばない」

空間を切り裂いて現れたのは、ラインとナンバー01だった。

いきなり出てきた事に、周りの人や妖魔達は驚いていた。

「お前、そんな技術を持っているのかよ」

「君達には君達の方法がある。気にしないでいただこう」

あくまで、直接的な手助けはしないようだ。

「それよりも、お前、千鶴にもチューニングを施したな?」

「彼女が望んだからね」

「そうかよ」

無表情で答えるところ、楽しんでいるというわけではないようだ。

しかし、俺も都合がいいな。

目の前の男も過去に妖魔達を犠牲にしてきたというのに、今の状況に対してしか怒りを覚えていない。

もし、ラインが美咲を無理矢理犠牲にするとなれば、俺は戦いを挑んでいたかもしれない。

「さて、君には説明をしていなかった事柄が二つある」

「今更かよ」

「簡単にバージョンアップするほど面白くない物はないからね」

「バージョンアップだと?」

「今の君に拡張チューニングを施す必要はないのだよ」

「何?」

「すでに、君の中には空きがあるのだからね」

自分の中に母さんの精神体が、いなくなったからか。

「何故、知っている」

「私は世界を見通すことを可能にしている。しかし、それが何だというのかね。今の私には君が第二段階、第三段階になる事で、どれだけのデータをたたき出すかしか興味はないのだよ」

第二段階までは解るが、第三段階になると、拡張チューニングを行わなければならないのではないのか。