妖魔05~正道~

「いてて」

まさか、能力を使ってくるとは思ってはいなかった。

そして、俺が吹っ飛んだ先は、子鉄の胸の中であった。

「グラマラスボディー!」

「え?擦り切れたい?」

子鉄が掌で鉄球を回転させている。

「もう、痛いのは勘弁だぜ」

俺は転がりながら、子鉄から離れる。

「乾萌黄さんに、野川子鉄さん、他二名だな」

「お前さん、退魔師の女に手を付けておいて、その態度は」

「ええ」

萌黄さんが親父の顔面を掴んで、答える。

「他の退魔師はどうした?」

「大多数がミールオルディンに傾き、乾雲丸、乾瑠璃子、風間の三名は現地の転移魔法陣の破壊および、そこからは現場の指導者である乾雲丸の指示に従うように一任」

「そうか」

給料の良さに引かれたか。

しかし、素直に答えてくれるとは思ってもいなかった。

もしかすると、捕まっていると踏んでいるのか。

「ミールオルディンが捕らえている者達の位置は解るか?」

「妖魔の里内部に存在する保守派の城『遊郭』と改革派の城『鋼』」

「何故、二箇所が?」

「子供を強制妊娠させる場所と、上層部に所属した者を縛る場所に分かれているらしいですわ。一箇所にまとめるよりは離れた位置にあったほうが、安易に手を出す事は出来ないですの」

厄介だな。

同時に助けなければ、人質として手を出せなくなる。