妖魔05~正道~

「龍姫、どこにある?」

「吟を、見てなくていいのかえ?」

「傍にいたい。でも、今やる事はそれじゃない。なあ、吟」

「そう、アルな」

入り口付近に立っているのは吟だった。

「そなたは、何をしておる!?」

「つまらない話が聞こえてきたアルなあ」

今にも倒れそうだ。

俺は傍にいき、抱える。

「すまない。今、お前の傍にいてやれない」

「小娘の身体はモチモチで良い感じアル。また、味わいたいアルな」

「必ず、味あわせてやる」

吟は笑う。

「丞、方法は、龍姫とそこの娘に、あるアル」

クルトを指差し、吟の力が抜ける。

気を失ったようだ。

吟の言いたい事は一瞬の内に理解した。

クルトの能力、穴を開ける能力。

言い方を変えれば、次元を引き裂く程の能力。

もし、結界を張られていたとしても、クルトの能力で無効化出来る。

プラス、転移能力さえあれば、敵地の結界の内側に入ることが可能という事だ。

「話の続きは退魔師から聞くがよい。彼等も情報は知っておる」

「そうか」

吟を紅玉に託し、龍姫と共に部屋を出て行った。

「本当に、行くの?」

千鶴の発言から汲み取れるのは、反対か。

「ああ」

自分の命がなくなるかもしれないという後悔はあろう。

だが、美咲の苦しみの方が大きい。

美咲には大きな借りがある。

だから、この命、賭けてもいい。

「地球を滅ぼす使者だとか、皆に苦しい思いをさせる支配者が君臨するだとかなら、解りやすくてよかったんだがなあ」