妖魔05~正道~

「考えが広まっているという事か」

「長い目で見れば、妖魔と人間との火種はなくなるといっていい。最終的に、一つになるのじゃ」

「一つ、か」

「丞ちゃんが幽閉されてる妖魔を解放するとなれば、ミールオルディンの敵、テロリストとして扱われよう」

「認めれば、全てがいい方向に向うのか?」

「認めた者には、危害は加えぬ。そういう仕組みになっておる」

「そうか」

だが、声の届かない場所で泣いている子がいる。

美咲、何故、認めない?

親を、人質として取られているからか?

今、一つだけ決められる事がある。

「ミールオルディンが九十九の正義を唱えるのなら、俺は一の悪を叫ぶ」

「丞ちゃん」

「奴等が暴力で解決したというのなら、俺も悪として暴力で解決するんだ」

「それで、よいのか?」

「湊さんのやり方は種族間の争いをいち早く終わらせる方法だったんだろう。そこで理解は出来たとしても、納得は出来ない」

皮肉なものだ。

争いを止めようとしていた俺自身が、争いの種になるとはな。

「死にに行くようなものじゃ」

「美しく咲く笑顔を、枯らせるわけにはいかないだろ」

勝てる見込みはない。

教会の時点で、理解はしている。

少しでもいい方向に持っていくとするのならば、あらゆる情報を入手しなければならない。