「アチシは奥でやる事があるアル。お前はここで時間稼ぎをするアルよ」

吟達が一時撤退を余儀なくされるほどならば、生身で闘うのは不味い。

「ロベリア、頼む!」

「はい」

俺はロベリアと一心同体となり、白き鎧を纏う。

ロベリアの体を抱えて、吟と琴、クルトは奥へと走って行く。

「丞さん」

傍には千鶴が立っている。

「千鶴、お前は吟と行け。それに、お前には友達を守るって役目があるじゃねえか」

「ジャスミン」

瓶の中に入っているジャスミンのコアを見て、決心したようだ。

「丞さん、ううん、兄さん、郁乃母さんのお墓参りに一緒に行こう」

「千鶴」

俺の意志が燃え上がる。

「俺は死なないよ。大丈夫」

千鶴の頭を撫でると、千鶴が笑みを見せる。

そして、奥へと駆け込んでいった。

「アカ・マナフ!お前も行け!」

「おや、独り占めにするつもりですか?」

「違う!奥に敵が入り込んだ時に、お前が最終防衛ラインを勤めるんだよ!」

吟が何かをするという事は、敵が来たときに手が出せないという事だ。

今、ジャスミンと千鶴を契約させるのも不味い。

説得には、まだまだ時間がかかる。

「おや、羨ましい状況ですが、あなたの言う事なら聞きたくなってくるんですよねえ」

「気持ち悪いが、今は助かるぜ!」

アカ・マナフも奥へと向っていく。