「すいませんねえ。少し死地が遠のいたようですから、やらせていただきますよ」

「お前」

先ほど投げたのは、ナイフなのだろう。

「広目さんの動きは機敏ですねえ。やはり、四天ビルのトップにいただけはありますよ」

「アチシとやるアルか?」

「それもいいですが、先にお片づけしなければならないんですよね」

「そうアルな」

吟とアカ・マナフは上手い具合に付かず離れずで、周りにいる人間を倒していく。

お互いの間合いを知っているようだ。

「今の内に非難させるか。ロベリア、行くぞ」

「はい、王子様」

教会の中に入ると、子供達が礼拝堂に集まっている。

その中には、千鶴やマリア、摩耶の姿がある。

「マリア、喜べ。廃墟から出られるぞ」

「子供達が、解放されるんですか?」

「マリア、今なら、外の世界で暮らす事が出来るんだ」

「マリア、良かったやんか!」

摩耶がマリアの手を掴んで、喜びを露にする。

マリアの頬には、自然と涙が流れていた。

周りの子供は、マリアの涙に動揺している。

「大丈夫、大丈夫だから」

そろそろ片付いたか。

しかし、吟とアカ・マナフは教会内に駆け込んでくる。

「そこにいる奴等を奥に突っ込むアル」

「どういう事かは知らないが、一大事という事か」

マリア達はすぐさま空気を読み、奥の部屋へと子供達を誘導した。