「何か用か?」

何かに操られているというわけではない。

本人の意思のままでやっているようだ。

猛者達が一斉に襲い掛かってこようとする。

俺が構えようとすると背後から、影が飛び出してくる。

とび蹴りで顔を蹴り飛ばす。

「お前ばかりずるいアルな」

「吟」

「最近、お前との上下運動ばかりで、他の筋肉を使ってないアル」

背後からくる剣を華麗に避け、裏拳で倒す。

「本当に、ストレスが溜まってるんだな」

吟は笑いながら、相手を倒していく。

やはり、吟はアカ・マナフと同じ存在だと思えてくる。

「吟ちゃんが、琴を放り投げたにゃあ」

傍を歩いてきたのは頭を下げた琴であった。

「お姫様は琴の事は大好き。でも、羽ばたかせてあげて」

「ロベリニャア」

琴がロベリアの胸の中に飛び込んだ。

節操がないというか、どれだけ甘えたがりなんだ。

今まで一人だった事のリバウンドとでもいうのか。

余り者がこちらへと襲ってくる。

しかし、再び背後から何かが飛んでくる。

頭に刺さると、男は絶命した。

「おや、それだけの筋肉を背負っているのでしたら、筋肉でカバーしてくれるものかと思っていたのですがね」

アカ・マナフが眼鏡のフレームを中指で上げながら、前へと進む。