「沢山、質問するな」

指を刺して、俺を制止させる。

「悪かった。まずは、もう一度感謝しておくよ。さっきはありがとうな」

「そんな事より、今度から子ども扱いするなよ!」

子ども扱いされたと思って怒る事が、子供だって事が解らないのだろうか。

口に出して言わずに、質問を整理する。

「ここは、どこだ?」

「ここは」

「教会や」

扉を開けて出てきたのは、中学生くらいのロンティーにジーパンのセミロングの女の子だ。

どこかしら見た事がある子供の面影がある。

「オラが言おうとしてたんだぞ!」

「ええやんええやん。気にせんときや」

笑顔でクルトを宥める。

関西弁。

「摩耶、か?」

「何や、ウチの事知ってるんか?」

「まあな」

幼少の頃よりも、少し落ち着いているようだ。

後から入ってくるのはアカ・マナフとマリアだ。

「目が覚めましたか?」

「見ての通りな」

修道服が相変わらずのマリアは、黒の前髪をカチューシャでバックに上げている。

「見ての通り、目が覚めてますね。私はマリア=マティーです」

俺の答えに反応したのではなく、自分で確認したのか。