バニラ

しかしこうなってしまった以上、この状況からもう逃げることは出来ない。


「くだらない。こんなくだらないことに私を巻き込むんじゃねぇよ。アンタらみたいに頭の軽い女と同じにすんなよ。」

葵は自身の押さえられぬ怒りと少しばかりの恐怖をいっぺんに言葉と共に吐き捨てた。


「お前ふざけんなよ。」

クミはそれだけを言い残し、冷めきった視線を葵にぶつけロッカーを後にした。

その後を追うようにカオリも慌てて出ていった。