バニラ

(ピピピ…)


目覚ましが鳴る。

「今日は寝坊する訳にはいかないなぁ…

それにしても藤木ムカツク。」


葵は支度を始める。


今日はまだ水曜日。

(はぁ…
早く文之に会いたいなぁ。)


相変わらずの満員電車。


思い描いていた社会人像とはほど遠くかけ離れたものであった。


藤木は今日も不機嫌そうな顔を浮かべ、パソコンに向かっている。

「あの、藤木さん。
何かお手伝い出来ることありますか?」