バニラ

(鏡台に置いてきちゃったのかなぁ~

どうしよう…。スッピンなんてとても見せられないよ。)


葵は女子ロッカーで一人焦っていた。


(キーンコーンカーンコーン)


始業のチャイムが鳴る。

とにかく行かなくては…。


葵は必死で階段を駆け上がった。


「お、おはようございます。」


すると、課では既に朝礼が始まっており、葵は何とも言えない気まずい空気の中そっと入った。