「あの…」 「貴様何者だ!!!!!王子に何の用だ!!!」 「え……」 「用を申せ!!!」 「っ…」 「ノルデ、止めろ。怖がってるじゃないか」 「お、王子…しかし…」 「あの……お、…私」 「名前は何て言うだ?」 王子はあのお日様のような優しい笑顔で少女に問う。 「……ない」 「………」 少女のその言葉に王子は驚いた。 「……名前は…捨てた」 「………そっか」 お日様は雲によって陰る。しかし、笑顔は絶やさなかった。