「…どこ」 広い庭園。暗闇のなか、辺りを懸命に見渡した。 「約束…守ってくれたんだ」 不意に背後から聞こえた優しい声。 少女は振り返った。 「ありがとう」 お月様は太陽と出会えるのは10年に一度、あるかも解らないぐらいの奇跡。 だけど、今少女はその瞬間を目にした。 「…来て」 「え、あ…」 手首を掴まれある場所へと導かれた。