確かに見た目では、コハクは少し若いようにも見えた。犬種・性格・健康状態・飼育環境によっても歳の取り方にも大きな差が出てくるとも言われているし。だけど、その年齢を聞けば高齢犬といわないトリマーはいないだろう・・・。。
「気分だけは若いままでいたいのじゃよ。爺さんなんて呼ばんでおくれ。」
私は素直にハイと頷いた。
「皮膚も健康、足腰も元気、目の色は少し曇ってきているけど、健康状態は良好そうね。」
「あぁ、ワシはいたって元気じゃよ。」
コハクはそう言って私の顔を見つめた。その瞳は私なんかよりもずっと沢山の物を見て、経験して、養われた穏やかな瞳のように感じられた。
「そういえば、狆の原産国は日本だけど、最近はめっきり見かけることが少なくなったわ。コハクにあうまで、暫く狆のグルーミングをすることは無かったもの。」
私のその言葉を聞くと、コハクは目を瞑り、一呼吸おき口を開いた。
「その昔1853年に、アメリカのペリー提督が数頭を持ち帰り、そのうちの一組のつがいが、イギリスのビクトリア女王に献上されたのじゃ。そこから海外での人気にも火が付いたのじゃが、しかし、その頃が狆にとって一番のピークとなり・・・。」
コハクが突然昔話を始めたのだ。
「大正時代になると、次第に頭数が減っていき、戦前、戦後とますます数を減らして行ったのじゃ・・・。その理由として、海外からの愛玩犬の輸入により、外国犬に人気が集まり、狆は日本原産の犬にもかかわらず、珍しい存在になってしまったと言うわけなのじゃ・・・。」
「寂しいことね、日本の犬なのに・・・。」
私はそう言って、大事な日本の誇るべき狆。コハクの頭をそっとなでた。
「気分だけは若いままでいたいのじゃよ。爺さんなんて呼ばんでおくれ。」
私は素直にハイと頷いた。
「皮膚も健康、足腰も元気、目の色は少し曇ってきているけど、健康状態は良好そうね。」
「あぁ、ワシはいたって元気じゃよ。」
コハクはそう言って私の顔を見つめた。その瞳は私なんかよりもずっと沢山の物を見て、経験して、養われた穏やかな瞳のように感じられた。
「そういえば、狆の原産国は日本だけど、最近はめっきり見かけることが少なくなったわ。コハクにあうまで、暫く狆のグルーミングをすることは無かったもの。」
私のその言葉を聞くと、コハクは目を瞑り、一呼吸おき口を開いた。
「その昔1853年に、アメリカのペリー提督が数頭を持ち帰り、そのうちの一組のつがいが、イギリスのビクトリア女王に献上されたのじゃ。そこから海外での人気にも火が付いたのじゃが、しかし、その頃が狆にとって一番のピークとなり・・・。」
コハクが突然昔話を始めたのだ。
「大正時代になると、次第に頭数が減っていき、戦前、戦後とますます数を減らして行ったのじゃ・・・。その理由として、海外からの愛玩犬の輸入により、外国犬に人気が集まり、狆は日本原産の犬にもかかわらず、珍しい存在になってしまったと言うわけなのじゃ・・・。」
「寂しいことね、日本の犬なのに・・・。」
私はそう言って、大事な日本の誇るべき狆。コハクの頭をそっとなでた。


