水色のエプロン

カットが終わると、私はリルに確認を取った。
「ねぇ、リル。ポッキーの顔こんな感じでいいかしら?」
 一番の理解者に確認を取ることが、一番言いカットに繋がるって私は思った。それがたとえ犬であっても。
「まぁまぁね。」
 リルがポッキーの顔を見つめながらそう言った。
「まぁまぁってどういうことだよ・・・。」
 ポッキーはまた文句を言っていたけど、まんざらでもなさそう。
 私はポッキーをリルと同じゲージに入れた。
「リルと一緒じゃ狭いなぁ。」
「あなたこそ、私の長い毛を踏まないでよ。」
 お互いぶつぶつ最初は文句を言っていたけど、暫くたつと二人は寄り添うように眠っていた。
 やっぱり二人は仲良しカップルだった。
 お昼ごはんを取り、次に予約の入っていた。狆のコハクが来店した。シャンプーコースで気になることは特になし。気を付けることといったら、コハクは高齢犬なので扱いに気をつけるということだった。カルテを見ると十四歳。
「うわ、確かに高齢ね。」