水色のエプロン

「それはわかりません。私は獣医ではないので、ただもしかしたらと思ったので、一度病院で見てもらうといいかもしれません。」
　私はそういうほか無かった。もっと勉強して知識をつければもしかしたらもっと自信を持って飼い主さんに話せたかも知れない。それが少し心残りだった。
　お会計をすませ、私はトリミング室のゲージで待つモモを迎えに行った。モモは気持ち良さそうに昼寝をしていた。
「モモ起きて。お迎えの時間よ。」
　私はモモの体を揺さぶった。
「あらっ。もうそんな時間？」
　モモは少し寝ぼけていた。
「うん。ちゃんと飼い主さんにモモの体のこと伝えておいたわ。病院に連れて行ってもらって早くよくなるといいわね。」
　するとモモは上品な性格とは裏腹に大きな口をガバッと大きく開き微笑んで見せた。

「モモのやつ。ヘルニアだったのか。」
　フレデリックがどこからとも無く現れた。
「あら、フレディーはいつも突然現れるのね。」
　するとフレディーはフンと鼻を鳴らした。
「オイラは時間通りに現れるのさ。今は丁度晩ご飯の時間。」
　見ると時計は確かにその時間を指していた。
「フレディーのお腹は、電波時計よりも正確なのね。」
　私は昨日と同じように、フレディーを少し散歩させ、夜のご飯を食べさせた。