水色のエプロン

私は私の知っている。なかなか訓練やしつけを覚えない犬達のことを思い出した。
「いくら訓練やしつけを教えてあげようとしても。なかなか覚えてくれない子達は沢山いるわ。そんな時、どうしても根負けしそうになることがあるのよ。そんな時はいったいどうしたらいいの?」
 私は全てを優しく諭すモモの言葉に甘え、モモの助言を求めることにした。
「もともとあなたたち人間が思っている以上に、犬は頭が良い動物なのよ、ほめてしつけるとスムーズにくわ。」
 うまく行かない時は叱ることしか頭になくなっていた自分を思い出した。うまくいかないからってイライラするのではなく。お互いが気持ちよくなるように、褒めながら成功を喜べばいいのだ。
「モモ、ありがとう。今度のしつけ教室の時に早速実践してみるわ。なんだか楽しみになってきた。」
 パピーズハウスでは週に一回しつけ教室を行なっていた。私もトレーナーさんに混じり、犬の飼い主さんにワンちゃんとのコミュニケーションのとり方などを教えていた。
「ありがとうモモ。勉強になったわ。」
 私はモモにお礼を行った。
「いいえ。どういたしまして。」

 グルーミングが終わるとモモをやさしく抱きかかえシャンプー台に移動した。
フレンチブルドッグのグルーミングで大事なのは顔の手入れ。
フレンチブルドッグの顔は皺が多く、目、鼻、口の周りのしわの間に。食べ物のカスやホコリ、分泌物などがたまり、湿疹ができてしまったりすることもある。