水色のエプロン

「私たち犬達だって、成長して、少しずつ変わっていくものなのよ。今日の自分は、昨日の自分とは違うの。あなたが見てきた私の仲間達も毎日同じように見えても同じ日なんて一日も無いのよ。それが成長という物ですもの。あなただってきっと昨日のあなたより、一歩も二歩も成長しているはずよ。だから、どんな子にだって、諦めないで人間から学べる沢山のことを教えてあげて欲しいわ。そうすることによって、もっと強い絆で結ばれて、その子たちだって、今より生きていることを楽しめるようになるはずだもの。」
　その落ち着いた口調と言葉は犬の言葉とは思えないほどはっきりとした物だった。
「すごいわ、モモって。」
　昨日の自分より、今日の自分は成長している。私は昨日の自分を思い浮かべた。
　確かに、昨日は初めてこのフレンドで働いてみるまでは、不安で押しつぶされそうで、何もかも自信を持つことができなかった。だけど今日の自分はお客さんと接客をする時も、犬の気持ちを考えることも、今まで気が付かなかったいろんなことに気付くことができるようになっていた。それならきっと、明日の私は･･･。
　そう考えたら、毎日を積み重ねるということが素敵な物に思えた。だって一日たりとも同じ日は存在しない、そのことが事実だということに気付けたんだもの。
「でもまって。」