私はシザーケースを腰に下げ、作業を開始した。もう一度きっちり背中にバリカンをかけ、シザーで整える。四脚もシザーでバランスをとりながらカットする。どの角度から見ても切り残しの無いように。顔は丸をイメージして。前から見たときも、横から見たときも。横から見た時は、耳の付け根から鼻先に向かって半円をあがくように、その時丁度、目尻から下に直線を引いたらラインが半円の頂点になるように結ぶとバランスを取りやすい。目に掛かる毛、鼻にかかる毛は確りとってあげる。折角のチャームポイントを最大限に可愛く見せるために。
何度かマルチーズのカットはしていたけど、このノートに書き込まれていた通りに順番を決めて作業をするとそれがとてもはかどり、スムーズに全ての工程を終わらせることができた。これはきっとどの犬種のトリミングにも言えること。私も早く、その流れを覚えたいと思った。そしていつか、自分でこんなノートが書けるように。
「できた。」
私は真白なぬいぐるみみたいなマーフィーを鏡の前に立たせた。
「うぅ~ん。僕男の子なのに、女の子みたいになっちゃった。」
マーフィーは目を三角にしてちょっと怒った顔をした。
「どうして、可愛いじゃない。それはとってもいいことだと思うけど。」
マーフィーは振り向き私の顔を見つめた。
「ほんと?」
「本当よ。」
「女の子に間違われない?」
「大丈夫、青いリボンを付けてあげるから。」
私は青いリボンを選び、青のセットペパーをケースから取り出した。それで耳の毛をくるくると巻き、ゴムで確り止める。
「どう?」
何度かマルチーズのカットはしていたけど、このノートに書き込まれていた通りに順番を決めて作業をするとそれがとてもはかどり、スムーズに全ての工程を終わらせることができた。これはきっとどの犬種のトリミングにも言えること。私も早く、その流れを覚えたいと思った。そしていつか、自分でこんなノートが書けるように。
「できた。」
私は真白なぬいぐるみみたいなマーフィーを鏡の前に立たせた。
「うぅ~ん。僕男の子なのに、女の子みたいになっちゃった。」
マーフィーは目を三角にしてちょっと怒った顔をした。
「どうして、可愛いじゃない。それはとってもいいことだと思うけど。」
マーフィーは振り向き私の顔を見つめた。
「ほんと?」
「本当よ。」
「女の子に間違われない?」
「大丈夫、青いリボンを付けてあげるから。」
私は青いリボンを選び、青のセットペパーをケースから取り出した。それで耳の毛をくるくると巻き、ゴムで確り止める。
「どう?」


