水色のエプロン

カットが終わっていないマーフィーの腰を立たせながら、私は自分の望みを言った。私はネオの言葉が聞きたいのだ。好きだからこそ、感じるより確かな物が欲しいと思った。
「マーフィーはいつからお話が出来るようになったの?」
「いつからって、僕はずっとこのままだよ。」
 マーフィーは以前フレディーが答えたときと同じように、私の質問に答えを唱えた。その言葉は遠まわしに、ただ何かをさとらせるように言いかける言葉みたいに・・・。答えを私に与えるのではなく、私を惑わせるだけだった。今の私にとって答えにたどり着くことはできない言葉として。
「ネオのこと、好きじゃないの?」
 えっ?私は一瞬ハッとした。
「もちろん好きよ。他の誰よりも。だって家族ですもの。」
「それなら、それだけでいいじゃない。」
「だって、本当は会いたい人がいるんじゃないかなとか、私と一緒にいて幸せなのかな?とか。もっと知りたいって思うじゃない。」
 マーフィーはそうじゃないよと言う様に首を横に振って見せた。
「どういうことマーフィー。」
 何度も突っ込んだ質問をする私に、今度はマーフィーは考え込んで言葉に詰まってしまった。
すると、私たちのやり取りをじっと見ていたフレディーが口を開いた。
「オイラたちにとって、一番大事なのは今なのさ。」
「今が大事って?」
 私はフレディーの方に向き直り、その言葉の真相を確かめようとした。