「お兄ちゃんはとっても優しかったよ、いつも僕と遊んでくれた。おもちゃの引っ張りっこをして遊んだり、かくれんぼをしたり、追いかけっこも大好きだった。だけど僕たちが一歳の誕生日を迎えた日に、お兄ちゃんと僕に新しい家族が決まって、遠くのお家に、お引越しをしちゃったんだ。それ以来僕たちが会うことは一度も無いけど。たまに思い出すんだ。やさしかったお兄ちゃんのこと、それから可愛かった妹のことも、あとそれからママのこともね。」
可愛いマーフィーが赤ちゃんの頃、兄弟でじゃれあっている姿が目に浮かんだ。きっととっても可愛かったのだろう。
だけどふと疑問に思った。パパの思い出が出てこなかったことに。
「パパのことは?」
「パパには一度も合ったことがないんだ。」
人間同士の会話だったとしたら、「悪いことを言っちゃった。」なんてバツの悪い場面だったろうけど。マーフィーはとっても明るく愛嬌を振りまき続けた。もともとマルチーズは社交的な性格で、誰にでも大変愛想がいいのが特徴の犬だ。マルチーズがいるだけでその場が明るくなるのがわかる気がした。ムードメーカーとしての才能に優れたところもマルチーズの大きな魅力の一つなのだ。
「一つだけ質問をしてもいい?」
話が少しそれてしまったが、私はもう一度、一番肝心なことの真相をマーフィーに問い尋ねることにした。
「うんうん。なになに。僕に質問。何だって教えてあげるよ。」
お調子者とも取れるほどの愛嬌のよさだったけど、その愛くるしさから悪い気は一つもしない。
「さっきお兄ちゃんは遠くにお引越ししたって言ったけど、マーフィーのお兄ちゃんは何処のお家に貰われていったの?」
「お兄ちゃん?お兄ちゃんはねぇ。東京のお家に貰われていったんだ。」
「そっかぁ。」
可愛いマーフィーが赤ちゃんの頃、兄弟でじゃれあっている姿が目に浮かんだ。きっととっても可愛かったのだろう。
だけどふと疑問に思った。パパの思い出が出てこなかったことに。
「パパのことは?」
「パパには一度も合ったことがないんだ。」
人間同士の会話だったとしたら、「悪いことを言っちゃった。」なんてバツの悪い場面だったろうけど。マーフィーはとっても明るく愛嬌を振りまき続けた。もともとマルチーズは社交的な性格で、誰にでも大変愛想がいいのが特徴の犬だ。マルチーズがいるだけでその場が明るくなるのがわかる気がした。ムードメーカーとしての才能に優れたところもマルチーズの大きな魅力の一つなのだ。
「一つだけ質問をしてもいい?」
話が少しそれてしまったが、私はもう一度、一番肝心なことの真相をマーフィーに問い尋ねることにした。
「うんうん。なになに。僕に質問。何だって教えてあげるよ。」
お調子者とも取れるほどの愛嬌のよさだったけど、その愛くるしさから悪い気は一つもしない。
「さっきお兄ちゃんは遠くにお引越ししたって言ったけど、マーフィーのお兄ちゃんは何処のお家に貰われていったの?」
「お兄ちゃん?お兄ちゃんはねぇ。東京のお家に貰われていったんだ。」
「そっかぁ。」


