「二ヶ月もお風呂に入ってなかったのね。私が可愛く綺麗にしてあげるわ。」
マーフィーは始めて見る私の顔に少し警戒していたけど、私のその言葉にかすかにしっぽを動かした。
マルチーズは三千年以上の歴史を有する非常に古い犬種で犬の貴族と呼ばれて来た犬種だ。始めから愛玩犬としてのみ飼育されて来た特異な犬種だから、ペットとしてはとっても飼いやすいのが特徴だった。
「だけど、もともと長毛な犬種、毎月一回はトリミングに出して欲しいわね。不衛生にすることは、皮膚にも健康にも悪いから。」
マーフィーの被毛をスリッカーでブラッシングし、コームを全身に通した。
「毛玉はそれほど無いみたいね。」
カルテを確認すると体に6ミリのバリカンを使用と記載されていた。かろうじて私が一番得意なカット。私は荒く伸びた毛を刈り、最初にグルーミングを終わらせ、シャンプー台にマーフィーを連れて行った。足先は汚れを吸い込んで真っ黒だったので、確り二度洗いを行なった。そして最後にブローをする。すると真白でストレートな美しい毛並みがよみがえった。
「まるで、ネオを始めてシャンプーしたときみたい。」
私はあの時のことを思い出した。ネオが私の子になったあの日を。
「ネオって誰あれ?」
私がぼんやりとしていると、突然マーフィーが無邪気な口調で口を開いた。
「びっくりした。今までずっとおとなしくしていたのに。人見知りをしていたの?」
私はマーフィーの顔を覗き込んだ。
「人見知りってなぁに?」
「えっと?それは・・・。初めて会って恥ずかしくって、お話をしなかったの?って意味。」
「そうかもしれない。」
マーフィーは始めて見る私の顔に少し警戒していたけど、私のその言葉にかすかにしっぽを動かした。
マルチーズは三千年以上の歴史を有する非常に古い犬種で犬の貴族と呼ばれて来た犬種だ。始めから愛玩犬としてのみ飼育されて来た特異な犬種だから、ペットとしてはとっても飼いやすいのが特徴だった。
「だけど、もともと長毛な犬種、毎月一回はトリミングに出して欲しいわね。不衛生にすることは、皮膚にも健康にも悪いから。」
マーフィーの被毛をスリッカーでブラッシングし、コームを全身に通した。
「毛玉はそれほど無いみたいね。」
カルテを確認すると体に6ミリのバリカンを使用と記載されていた。かろうじて私が一番得意なカット。私は荒く伸びた毛を刈り、最初にグルーミングを終わらせ、シャンプー台にマーフィーを連れて行った。足先は汚れを吸い込んで真っ黒だったので、確り二度洗いを行なった。そして最後にブローをする。すると真白でストレートな美しい毛並みがよみがえった。
「まるで、ネオを始めてシャンプーしたときみたい。」
私はあの時のことを思い出した。ネオが私の子になったあの日を。
「ネオって誰あれ?」
私がぼんやりとしていると、突然マーフィーが無邪気な口調で口を開いた。
「びっくりした。今までずっとおとなしくしていたのに。人見知りをしていたの?」
私はマーフィーの顔を覗き込んだ。
「人見知りってなぁに?」
「えっと?それは・・・。初めて会って恥ずかしくって、お話をしなかったの?って意味。」
「そうかもしれない。」


