「長々と難しい言葉を並べたってオイラには何にもわかりゃしないよ。ただ確かなのは夏が暑いってことだけさ。」
日本で暮らすフレディーが日本の気候に合わないだなんて、なんだか少し残念な気分になった。一体どのくらいの気候差があるんだろう・・・。
そういえば図鑑に書いてあったツンドラ気候って、名前を聞いただけでも寒そうなイメージだけど、本当はどのくらいの気温のことを言うんだろう・・・。私は、ふと疑問に思い、ちょっと携帯を開いてみた。
 ツンドラ気候、便利な世の中になったもので、ちょっとした調べ物は携帯で簡単に済んでしまう。
「ツンドラ気候とは主に北半球のグリーンランド周辺に分布しており、一年のほとんどは氷雪に覆われている。最暖月平均気温は0度以上10度未満である・・・。てことはフレディーのふるさとは日本で言ったら冬の気温が夏の気温で、そこで冬が来たら氷河期みたいに寒い場所だってことなのね・・・。夏になったら、その毛を一旦全部刈ってあげようかしら・・・。」
「丸裸なんてカッコ悪いだろ。よしてくれよ・・・。」
 フレディーはこう見えて意外とふさふさした真っ白い自分の被毛を気に入っているようだった。
 散歩を終え店に戻りフレディーのご飯の準備をした。
「ご飯は大盛りで頼むよ。」
 フードの入ったタッパを開くと匂いに誘われたフレディーがそう言った。