水色のエプロン

今日はフレディー話をしてくれるかな。
 喧嘩をした友達と次の日あうときみたいに、なぜか心が重たかった。
「フレディーおはよう。」
 するとフレディーは、鍵をくわえそれを私に差し出した。
「鍵を頂戴って、まだ言っていないのに。」
 フレディーは私の考えていることを全部知っているみたいだった。そしてフレディーは静に昨日と同じように裏口の前に座り込んだ。
「ありがとう、フレディー、今ドアを開けるわ。」
 店に入り、エプロンをかけ、開店の準備を整えた。今日の予約もすぐに終わってしましそうだ。
「今日は、午前中にミルが来るって言ってたよな。」
「そうよ、ポメラニアンのミルの予約が入ってるわ。って!フレディー言葉話せるじゃない!どうして昨日は何も話してくれなかったの?」
 私はフレディーを思わず抱きしめた。しかしフレディーは暑苦しいといってその手を振り払おうとした。
「またそれを言うのか?オイラの声を無視してたのはアズの方だって言うのに。」
「私の方が?」
「そうさ、なのにいつもアズはオイラのせいにするんだな。アズと一緒に暮らしてるネオだってオイラと同じ気持ちでいるのかもな。」
 そう言ってフレディーは、裏庭に出て行ってしまった。
 私は家に帰り一度もサークルから外に出さなかったネオのことを思い出した。いつもなら家へ帰ったら必ず、私は一番最初にネオを抱きしめていたのに。昨日だって、フレディーと話せなかったことをネオに聞かせただけで、ネオの体に触れることさえしなかった。あの時ネオは何を考えていたのだろう。
 その時扉が開きポメラニアンを抱いた女性が来店した。