水色のエプロン

フレディーは私を見つめていたけど。何かを話しかけてくることは無かった。
「フレディーあなた言葉どうしたの？わざとしてるだけよね？昨日私がめんどくさいから来ないとかいったことに怒ってるんでしょ？」
　私は仕方なく、言葉を話そうとしないフレディーの首輪にリードのフックをかけた。町を歩く間中フレディーは何も話さないし、私の問いかけにも答えることは無かった。
散歩を終え、お店に戻り、朝ごはんを与えた。
「大盛りで頼むとか言わないの？」
　不安が胸をかすめる。
　もしかして私、犬の言葉がわからなくなってしまったのかもしれない。
「フレディー、何か答えて･･･。」

　しかし、夕方の散歩と餌やりのときも、フレディーは私に言葉を聞かせてくれることは無かった。まるで普通の犬になっちゃたみたいに。
　家に帰り、私はネオにそのことを報告した。
「フレディー、今日は一言も話をしてくれなかった。」
　もちろんネオが言葉を返してくれることは無かった。

それら全てが当たり前のはずなのに。私は何処かで思っていた。
ネオの言葉で友達みたく慰めてくれたらいいのにと。