「犬の表情見たり、行動を見たりして。言葉が通じなくたって、そこから犬の気持ちを見出せなきゃプロのトリマーとはいえないものよ。もしもトリマーをやっていて、犬の心が読めないのだとしたら、通訳さんが専門の国の言葉を話せないのと同じこと。私たちの相手は、誰とでも言葉を交わすことができないだけだもの。私たちトリマーは、その相手と心を通わせ会話をしなくてはならないの。そのためには努力も必要よ。だけどどうしてそんなことを聞くの?」
言葉が無くても、そこから見出せるものがある。考えても見ない答えだった。
「あ、いえ、なんとなく、犬の言葉がわかったらいいのになって思ったことがあったので・・・。」
私はあいまいに答えを濁した。
「とにかく、誰よりも身近にいて、ずっと付き合っていれば、自然と身に付いてくる物もあるはずだわ。」
私が小さな声で礼を言うと、店長はもう一度、明日お願いね、という言葉をつけたし電話を切った。静な部屋で、私は電話を握ったまま暫く天井を見つめていた。そして私はいつしか眠りに落ちていった。
「今日も快晴ね。」
お店に着くと、フレディーにそう話しかけ鍵を受け取った。
「ねぇ、フレディー何度か聞こうとしたと思うんだけど、ここの鍵についているペンダントに刻まれたsince1999っていったい何の数字なの?」
私はペンダントを見つめながらフレディーに尋ねた。しかしフレディーは何も答えなかった。何も答えないフレディーのほうに向き直ると、フレディーはあくびをしながら、こちらを眺めていた。
「ねぇ、あくびをしてるんじゃなくて、ちゃんと教えてよ。この数字の意味。」
だけど、フレディーは何も答えず、早くドアを開けてと言わんばかりに私の横を抜け、お店の裏口の前にそっと座り込んだ。
「解ったわ。今ドアを開けるわ。」
ドアを開けると、フレディーは早速店の中に入り、自分のリードをくわえ私にそれを差し出した。
「解ったわ。散歩ね。昨日フレディーがこうして私にリードを渡す時は、公園を歩きたいって言ったのに・・・。今日はリクエストも無いの?」
言葉が無くても、そこから見出せるものがある。考えても見ない答えだった。
「あ、いえ、なんとなく、犬の言葉がわかったらいいのになって思ったことがあったので・・・。」
私はあいまいに答えを濁した。
「とにかく、誰よりも身近にいて、ずっと付き合っていれば、自然と身に付いてくる物もあるはずだわ。」
私が小さな声で礼を言うと、店長はもう一度、明日お願いね、という言葉をつけたし電話を切った。静な部屋で、私は電話を握ったまま暫く天井を見つめていた。そして私はいつしか眠りに落ちていった。
「今日も快晴ね。」
お店に着くと、フレディーにそう話しかけ鍵を受け取った。
「ねぇ、フレディー何度か聞こうとしたと思うんだけど、ここの鍵についているペンダントに刻まれたsince1999っていったい何の数字なの?」
私はペンダントを見つめながらフレディーに尋ねた。しかしフレディーは何も答えなかった。何も答えないフレディーのほうに向き直ると、フレディーはあくびをしながら、こちらを眺めていた。
「ねぇ、あくびをしてるんじゃなくて、ちゃんと教えてよ。この数字の意味。」
だけど、フレディーは何も答えず、早くドアを開けてと言わんばかりに私の横を抜け、お店の裏口の前にそっと座り込んだ。
「解ったわ。今ドアを開けるわ。」
ドアを開けると、フレディーは早速店の中に入り、自分のリードをくわえ私にそれを差し出した。
「解ったわ。散歩ね。昨日フレディーがこうして私にリードを渡す時は、公園を歩きたいって言ったのに・・・。今日はリクエストも無いの?」


