水色のエプロン

「最近はワンちゃんの病気の予防の方法も発達し、食事の質が良くなった事で、ペットも長生きをするようになって来てはいます。ですが残念なことに、誤った形の愛情がペットたちに、新しい病気をもたす結果に繋がっているんです。ワンちゃんにずっとそばにいてほしいという気持ちは飼い主さん全てが持っていることだと思いますが、それも健康であることが大前提ですよね。できれば少しダイエットをして、ミートちゃんの体重を理想に近づけてあげることをお勧めします。」
 熊井さんの眉間の皺がより一層深まった。
 (どうしよう・・・。私言い過ぎちゃったかも・・・。)私は心の中でそうおもった。しかし、熊井さんがゆっくりと口を開いた。
「私もダイエットをしなさいとお医者様にいわれていたんだわ。」
 熊井さんは、もしもミートが病気になったらと言うことを自分と重ねて思い浮かべたようだった。
「ありがとう、厳しい言葉を言ってくれて。おかげで目が覚めたわ。わたくしもミートちゃんと一緒にダイエットを始めるわ。」
 熊井さんはミートのリードを引くとダイエットに向けて前向きな姿勢を示し、意気揚々とお店を後にした。
「やっぱり、犬は飼い主ににるものなんだな。」
 二人が店を後にすると、フレディーがそうつぶやいた。
「こら!失礼なことを言わないの!」

 夕方、リルとポッキーがおうちに帰ると、お店は一気に静かになり、弊店の時間を迎えた。

「明日はお店が定休日ね。」
 全ての作業を終えると、私はフレディーと一緒に二階の屋根に上がった。
「夕焼けがとっても綺麗。私たちだけの特等席ね。」