水色のエプロン

グルーミングが終わり、お尻カットも上手にできた。最後に両耳にリボンをつけて終わらせると、ミートの体は重たいので、自分で出入りのできる一番下の犬舎にいれることにした。熊井さんの携帯に電話を入れると、すぐにお迎えに来るとの事だった。
「ついに、ダイエットをする決意をしたんだな。がんばれよ、辛いときも来るだろうがな。」
 フレディーはそう言ってミートを励ました。
「ありがとうフレディー。ボクチン病気になりたくないし、もっと身軽になって、いろんな遊びをしてみたいんだ。次に会う時を楽しみにしてておくれよ。」
 フレディーは解ったと、ミートに言った。
「どうも、熊井です。ミートを迎えに来ました。」
 ここからが、飼い主さんに、ミートのダイエットの目的についてうまく理解をしてもらう勝負所だ。
「お待ちしておりました。」
 お会計を済ませ。本題に入る。
「ミートちゃんのことで少し気になったことがあったので、ご報告させていただきます。ミートちゃんはちょっと体重がオーバーしているようですね。」
「あら嫌だ、やっぱりそうかしら。」
 飼い主さんも、うすうす感づいていたようだ。
「豪勢な食事、好きなだけのおやつ、楽な移動手段などが、ミートちゃんがメタボになった原因なのではないかと思います。」
 熊井さんは心当たりを思い浮かべているようだった。
「太りすぎは色々な病気の原因にもつながってしまうんです。」
 熊井さんは眉間に皺を寄せながら黙って私の話に耳を傾けていた。