「『クズ』は呪われた地の一番奥にある小屋で住んでたんだ…」

8年前_________
「おっちゃん!宏介のおっちゃん!行くなよな!」
「リョウ、しょうがねぇだろ。“赤紙”が来ちまったんだ。行くしかねぇだろ」


「でも…おっちゃんは行きたくねぇんだろ!」
「そりゃそうさ…。あんなキツイ仕事…行きたくねぇよ」
「じゃあ、行くなよな!俺も行ってほしくねぇよ!」



その時、俺はまだ、3歳だった。
宏介のおっちゃんは俺たちが住んでた小屋でリーダー的存在だったんだ。



「なぁ、おっちゃん!」
「リョウ…」
「こら!リョウ!ワガママ言ってたらおじちゃん困っちゃうじゃん!」



そうやって、ワガママな俺を止めてくれてたのが……マサキだ。



「な。リョウ、分かってくれるな。帰ってくるから」
「本当?」
「あぁ、本当だぜ。絶対に帰ってくるさ」
「じゃあ、約束ね」
「あぁ、約束だ」


こんな約束とは裏腹に、エクスターミネーションは大体、3ヶ月でみんな死ぬという。
宏介のおっちゃんも今まで、帰ってきてない。
多分…死んだんだと思う。



こういう、別れはそう少ないわけじゃない。
年に5人から15人の人に“赤紙”が届く。
そのたび、こんな大騒ぎしてるわけじゃないけど…
宏介のおっちゃんは俺にとって、大事な人だったから……



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「……大変だったんやねぇ…リョウも…」

リョウも…ってなんだよ…
シュウも?なんか、あったのか?