「ちえ…こっちおいで?」


隣に座って星を眺めてたら
膝をぽんぽん叩きながら
勇気が笑顔であたしに言った。

「え…?」

ぽかんとしたアホ面で勇気を見つめてると、

突然グイっと腕を引っ張られる感覚と共に視界が反転して
気づけば勇気の脚に上向きで倒れ込んだ状態。


「えぇぇっ?」


とりあえず何が起こってるかわからないよ…

だってドアップの勇気の顔、
唇の感触。


ナンデ、ドウシテ?


苦しくなって勇気の胸を押しても
力が強い勇気はびくともしない。

必死に息をしようと口を
開ければ舌が侵入してくる。

「んんぅ…っ」


―あたし、勇気とキスしてる。

そう意識した瞬間、
なにもかもどうでもよくなって


キスを受け入れた。



これが辛くて甘い恋の始まり。