彼女と別れた事で俺は清々しい気持ちになっていた。











数日後、居酒屋でマサやツレに彼女と別れた事を報告した。


始めは皆に心配されたが、俺の表情―――むしろ前より明るい?―――を見て、今度は別れた事を酒の肴にし、あれこれと掘り返された。







俺の話を聞き、皆口々に「可愛いがかなりの小悪魔だな」と言った。


更には「小悪魔に引っ掛かったお前が悪い」「お前が一人に絞るとか柄じゃない事するからだ」「皆のココちゃんを一人占めした罰だ」等と訳の解らない事を言われた。





俺は別れた女の悪口を言う男が嫌いだ。
別れたのは全部女に原因があって、自分には一切非がないとでも言う様な奴だ。

恋愛は見方によって様々で、視点が変われば、考え方も変わる。
自分の視点でしか物事を見ていないから、相手が何を考え、どう想っていたのか、真実なんてわからない。





だから俺は悪口は言わないし、周りも言って欲しくないのだ。
それを分かっていて、ツレは彼女の悪口ではなく、別れた事をネタにして笑い合う。


良い奴らだと改めて感じた。










そしてその日は「今度お前の為に合コンをセッティングしてやる」と皆ノリノリで解散した。