由宇は様子が変だった。
「なんかあったの?」
「いや、何も。」
由宇は明らかに動揺している。
「あ、将吾さんと一緒にいたとか?」
俺は明るく笑って言ってみた。
由宇は全然笑ってない。
「サトル、芽衣な。」
由宇の気迫の間に俺は生唾飲み込んだ。
悪い想像がモヤモヤ頭の中に広がる。
「…将吾さんと付き合うって。」
「…………ウソ…」
悪い想像してたけどそんなことは想像してなかった。
ショックで目眩がしてソファーにもたれた。
「いつから?今日?」
「今、告白されてオッケーしたんだって。」
芽衣が誰かと付き合うなんて考えもしなかった。
どこか自信があった。
あいつのことは俺がよくわかってるって。
自惚れてた…。
まだ俺が芽衣を好きになってなかった頃、
芽衣は失恋の傷を癒すために新しい恋に積極的だった。
友達に紹介されたりして、3人くらいと次々に付き合っては別れた。
どれも3ヶ月ももたなかった。
今回もそうであってほしいと心底願った。
「またすぐ終わるかな…。」
由宇が俺の考えを見透かしてるみたいにポツリと呟いた。