帰りのタクシーの中で、将吾君はいつの間にかだて眼鏡をかけていた。
「今度いつ会えるかな?」
将吾君はいつもみたいに軽いノリで聞いてきた。
「いつでもどうぞ。暇なら連絡して。」
あたしはいつも通りそう答えた。
将吾君のほうが忙しいから。
「本気にしていいの?」
いつもと違う返しにあたしは横にいる将吾君を見上げた。
「だって将吾君のほうが仕事も忙しいし、友達付き合いも多いし………
彼女は?将吾君こそ彼女いないの?そぉいえば聞いたことなかった。」
あたしは俄然テンションが上がって聞いた。
将吾君は呆れ顔。
「いないよ。いたら芽衣ちゃんのこと誘わないよ。」
そう言われて納得。
「それもそうだった。」

