「あれ、芽衣は?」
5分くらいしてからか由宇がドアを開けて聞いた。
俺は5分間同じ場所に同じ姿勢で微動だにしていなかった。
「帰った。」
気づくと俺は泣いてた。
右目から涙が頬を伝って落ちた。
「何で泣いてる?」
由宇に涙流してるの勘づかれた。
「何でってフラれたから。」
ドアのところに立っていた由宇が俺の目の前に来た。
「お前ら何やってんの?もう一度告白してこい。」
由宇はキレ気味に言った。言われても動けない。
「早く追いかけろ!!
本当に世話が焼ける。」
由宇の怒鳴り声に押されるように飛び出した。
さっき芽衣が出てった裏口の扉。
開けて走り出した。
芽衣にすぐ追い付いた。
肩をつかみ振り向かせた。
歩きながら泣いていたらしい芽衣はまた驚いている。
「…なに?」
鼻声の芽衣が聞いてきた。目も真っ赤だ。
繁華街の歩道で人の往来がちらほらあったけど周りが見えなくなってた。
俺は芽衣を優しくソフトに抱き締めた。
少し気持ちが落ち着いたら腕の中の芽衣の顔を見た。
頭の中は真っ白だった。
何か考えると挫けそうだ。自分でも知らなかったこんなに弱い自分。
「もう一度告白させて。」
最後の勇気を振り絞って俺は言った。
芽衣は黙って聞いている。
芽衣と1メートルくらい離れた。
「好きです。付き合ってください。」
そう言って頭を下げて右手を差し出した。
沈黙は長く感じた。

