それからというもの
サトル君からは毎日のように連絡がきた。
ほとんどが他愛もないことだった。
零次君はレイトショーの3日後に食事の誘いがきた。
イタリアンのこ洒落た店に連れてってくれると言うので少しおしゃれして
サトル君にプレゼントしてもらったワンピースを着て行った。
お店で待ち合わせ。
私が行くと零次君はもう座っていた。
薄暗い店内でテーブルの上のロウソクの灯りがぼんやり零次君を照らしていた。
ネクタイはしてないけどスーツ姿でビシッと決まっている。
自分がすっごくカジュアルに思えた。
「ごめん、待った?」
とありきたりの文句を言いながら席についた。
「ううん。大丈夫。」
優しく微笑む零次君。
「この間、夜眠れた?」
零次君がいきなり聞いてきた。何のことかすぐにピンときた。
私は首を横に振った。
「眠れなくて困っちゃった。」
「電話くれれば良かったのに。」
私は零次君が知らない女の子と腕を組んでマンションに入って行ったことが頭をよぎった。
「したよ。でも直で留守電になった。」
私は自分でも気づかないうちに声のトーンが落ちた。
「なんだ…。でどうしたの?」
「由宇君もいなくて、…サトル君に。」
私が言うと零次君の表情はみるみる曇った。
「私も電話するつもりはなかったんだけど、間違えてかけちゃって。間違いだよって言ったけど、心配して来てくれたの。それで…。」
零次君は完全に俯いている。
なんか話しづらい…。
私悪いことしてる?
「それで…?」
零次君が低い声で聞いてきた。

