芽衣の恋愛論






芽衣は下を向いて歩いていて俺の前を素通りした。



マンションの入り口、エレベーターのボタンを押しそうになったときに


「芽衣」

呼び止めた。



芽衣は無表情で振り向いた。


「あぁサトル君…。」



感情のない話し方。
様子がおかしい。


俺に近ずこうともしない。




「あたし、将吾君と別れたから。」






そう言うとエレベーターに乗って行ってしまった。





「えっ。」



って俺の声がむなしくロビーに響いた。




どうしようと思ったけど、
追いかけた。



芽衣の家のドアをノックした。

ドンドンドンドン


「芽衣、開けて。」





ドアはすんなり開いた。

いや、開けてくれた。



「何?」




芽衣は俺と目を合わそうとしない。




「あの〜、え〜っと…。」



何から話していいかわからない。


芽衣は黙ったままで相変わらずこちらを見ようとはしない。


「さっき泣いてたって。由宇から聞いて…。俺なんか泣かすようなことしたっけ?」





俺はしどろもどろな感じで喋った。


芽衣はより一層俯いてしまって顔は見えない。


芽衣の顔を覗きこんだ。



目に溢れんばかりの涙を溜めていた。

俺が見るとエーンと泣き出した。




おろおろするばかりの俺は玄関に入りドアを閉めた。


芽衣の肩に恐る恐る手を置いた。