それから2、3日後。


いつものように仕事をしていたら。
少し疲れた様子の将吾さんがやって来た。


事務所に通した。
「どおかしたんですか?芽衣と上手くいっているって聞いてますよ。」


俺が言うと将吾さんはガックリ肩を落とした。


「あのう……田中君って知ってる?元彼らしい。」


意外な名前が出てきたので正直驚いた。


「知ってます。知り合いではないけど。」


「この前偶然道ですれ違ったの。それからと言うもの芽衣ちゃんは田中君の話ばっかり。それまでは無口で何も話さなくてどうしようかと思ってたのに。
喋りだしたら、元彼の話。今まで聞いたこともなかったから面食らった状態で。もうどうしようかと思ってここに来てしまった…。」


俺は息を飲んだ。

話そうとしたとき将吾さんは話し出した。

「ここに来てもしょうがないのはわかってるんだけど、芽衣ちゃんはまだまだ田中君が好きみたいで、俺なんか恋人には程遠いっていう報告。」


将吾さんはちょっとキレそう。

俺は言葉に詰まった。





黙ってコーヒーを置いた。