キーンコーンカーンコーン~・・・
「はい!じゃあ作文用紙、集めますね~
後ろから回してくださ~い」
チャイムと同時に
先生が作文用紙回収のお知らせを
みんなに伝えた。
生活の授業を
ペン回しで使い切ったわたしたちの
作文用紙は、当然空欄だった。
「ごめんね、わたしのせいで
作文書く時間なかったよね?」
わたしは、ゆうきくんに謝った。
そんなわたしにゆうきくんは
「おれ、作文できないってゆったじゃん?
だからぜんぜんだいじょーぶっ」
そう言いながら、またあの笑顔。
ゆうきくんは、ひとを笑顔にさせてくれる
そんな魔法を持ってるみたいって
わたしは思った。すごく思った。
