授業を受ける気になど、とてもじゃないけど
なれなかった。



屋上に行こう



そう思って立ち上がった時
先生は目であたしを呼んだ。

黙って先生の所まで行くと
先生は静かに1通の手紙をあたしに渡した。

封筒には


中本美空へ  長谷川陸より

と書いてあった。

先生は

「昨日、長谷川くんが明日になったらこれを中本さんに渡してくれって頼んできたの。」

あたしは急いで屋上に駆け上がろうとした。

すると先生が

「最後に1つだけいい?」

と言った。

「ごめん・・・って。直接伝えられなくて本当にごめんって涙こらえながら必死に笑顔作ってさ・・・この手紙を私に預けたの。」

あたしはそれを聞いて

必死に涙をこらえながら屋上に向かった。

そして

封筒から手紙を取り出した。