あるところに、
寂しがり屋な狼がいました。
本当は誰かと一緒に生きたいのに、
プライドが邪魔して他の狼に
一緒に行動しないか、とは
口が裂けても(もう大分裂けてるけど!)言えずにいました。


ある日ふと狼は羊の群れを羨ましく思いました。
みんな仲良く寄り添いあい、
助け合って生きるか弱い羊たち。
いいなぁ…自分も混ざりたい。
そう思って羊に近づこうにも、


狼が来たぞー!


と、羊はかけていく始末。
羊たちの主である人間に鉄砲を向けられて命からがら逃げるしかない狼。



そんなある日ふと迷い込んだ人里で狼は、
二足歩行で風船を配り歩く奇妙な羊を見かけました。
驚きながらもついていくと、
二足歩行の羊はその頭部を、毛皮を脱ぎだしあっと言う間にただの人間になりました。




ははぁ、なんだ人間が羊のふりをしていただけか。



狼は思いました。



これを着ていけば自分も羊の仲間に入れてもらえるだろうか?