当日…。

「うわー!!
まま、緊張するよー!!!」

「あ、慌てないの…!!」

会場はすごく広くて
声が吸われちゃう位だった。

「う…わ…。」

「し、い、な、ちゃん…
だ…大丈夫…?!」

また先輩が心配してくれた。

「あ、は…い…。あはは…。」

もう笑いしか出なかった。

わたしの番が回ってきた…。

先生を思い浮かべて…
先生は…確か…午後来る
って言ってたな…
先生のためにも優勝したいな…

言い終えた時には
自分自身が笑顔だった。

「椎名ちゃん!!
めっちゃ良かったよ!!」

「ありがとうございます!!」

あとは結果発表まで待つのみ。

「優勝を発表いたします!!!!」

意外と長くなかった気がした。

「優勝は…
宇井川椎名さんです!!」

‘パチパチ…!!’

「え?!あの…」

「椎名ちゃん!!
おめでと!!」

先輩が自分のことの様に
喜んでくれた…。

賞状とトロフィーを
受け取り、式は終わった…。

「おめでと!!」

聞き覚えのある
クールで少し詰まった
感じの声…。

大好きで…
誰よりも愛しい声…。

振り向く先には…

「せん…せ…」

大好きな先生が居た。

「おめでと!!」

…誰に言われるよりも
嬉しかった…。

「あ…ありが…ひぐ…と…!!」

つい涙が出てしまう…。

その後は、写真を撮って
終わり…。

長かった様で…
短く感じたこの練習…。

それは先生に…
恋…してたから…なのかな…??

先生…この写真…
大切にするね…。

先生が写っているところを
指でなすった…

先生がよく使っている小指で…
そっと…