‘ガチャン’

いつの間にか朝になっていて
いつの間にかスピーチ練習に
来ていた…。

「…おはよーございます…」

下を向いて挨拶する。

足元を見ると…
長い足を黒のジャージが
包んでいる男の人の影…。

…っ。

駄目…きっとこの人を見ると
辛くなる…。

「…ぅ…い…か…?!」

ういかって言う名前じゃないし

「うぅぅ…」

そう、先生だった…。

先生の声を聞くと…
落ち着く…。

だけど…
切ない…。

「うぅぅ…」

ただ泣くことしか出来ない
わたしに、先生は…
そっと触れる…。

「せん…ひぐ…せ…うぅぅ…」

「そんなに…辛いのか…?!
俺が…乗ってやる…から…」

「うぅぅ…ひ…グズン…」

先生だったら何でも素直に
相談出来て…素直に
受け入れることができる…。

「あの…実は…ズズ…」

先生は優しく…うん、
って言いながら黙って
聞いていてくれた…。

また…そっと触れる…。

わたしも…触れる…。

先生には…まだ分からない
かも知れないけど…
先生のことこんなに思う様に
なったんだ…。

先生が…今でも…
大好きだよ…。

毎日毎日思い続けるわたし…。

馬鹿みたいに先生のことを
考える…。