「お前のおかげなんだ。」

「何それ。意味分んない…」

「俺は零の過去を知ってる。零の親よりも零を知ってるつもりだ。」


「だから何?あたしには関係ない。」


「零の過去を、苦しみを知っている。」


「……」


「“優音が側にいるからね”」


「あたしが昔言った台詞…」

「その言葉のおかげで今の俺がいる。仲間がいるのも、居場所があるのも、全部五十嵐、お前のおかげだ。」


「…………」


「知りたくないか?零の闇を。どうして、お前を頼りにするのか。」


「ハル…あたし…」


知りたい。苦しみを分かち合うと少しは楽になれるってあたしはハルといて知った。

逃げちゃいけない。

ねぇハル。あたしたち、知る義務があると思うの。

故にハルは桜咲の弟。

信じよう。選んだ未来が幸せであるように。